2014年11月21日金曜日

未サポートフォーマットのデータの読込 他

2014-11-21発信

1. 未サポートフォーマットのデータの読込

FMEは300以上のデータフォーマットをサポートしており、他に類を見ない高い汎用性を持っているとはいえ、標準の機能だけでは簡単には読むことができないフォーマットもたくさんあります。
しかし、FMEにはユーザーが機能を拡張する仕組みが用意されており、標準ではサポートしていないフォーマットについても以下のような方法でリーダーと同等の機能を追加できる場合があります。

(1) カスタムフォーマット Custom Format

XMLやテキストなどの汎用的なファイル形式をベースとしたフォーマットであれば、XMLリーダー、Text Fileリーダーなどで読み込み、必要なデータを抽出・変換するためのワークスペースを作成できる可能性があります。
そして、そのようなワークスペースが作成できるのであれば、それを「カスタムフォーマット」として保存することにより、ひとつのリーダーとして使えるようになります。

例: 基盤地図情報DEM
国土地理院の基盤地図情報(GML準拠)のうち「基本項目」データは、標準のGMLリーダーで読み込むだけでジオメトリや属性が抽出できます。
しかし、「DEM(数値標高モデル)」データは固有のスキーマを持っているため、GMLリーダーで読み込んだだけではジオメトリが作成できません。
当社ウェブサイトでは、すでに基盤地図情報DEMをラスターに変換するワークスペースを公開していますが、それをカスタムフォーマットとして FME Store でも公開しました。
FME Store で公開されているカスタムフォーマットは、インターネットに接続している環境では標準のリーダーと同じ方法(FME Workbenchメニュー: Readers > Add Reader)でワークスペースにリーダーとして追加することができます。
・フォーマット名: Japanese Fundamental Geospatial Data (FGD) DEM
・リーダー名(フォーマット略称): JP_FGD_DEM
・FME対応バージョン: FME 2014 SP4 以降

(2) リーダープラグイン Reader Plug-in

FMEをインストールしたシステム内部では、FMEの機能にアクセスするためのプログラム間のインターフェース(API)が公開されており、FMEを利用したプログラムが開発できます(ただし、実行するにはFMEのライセンスが必要)。
データ読込に関しては、フォーマットの仕様が明らかであればこのAPIを利用し、プラグインとして独自のリーダーを作成することができます。

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サポートの要望が多いフォーマットについては、今後もSafe Software社がリーダー/ライターを開発・追加していきますが、日本あるいは企業固有のフォーマットで世界的にみれば利用者がそれほど多くないものの開発優先順位は低くならざるを得ません。
そのようなフォーマットについては、ご要望に応じてカスタムフォーマットあるいはプラグインの開発について検討したいと考えています。
ご要望がありましたら、フォーマットの仕様書類とサンプルデータを添えてご相談くださるようお願いいたします。

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2. LineDivider トランスフォーマー

ラインを一定の間隔で分割、あるいは一定数で等分割したいというケースはよくあり、FMEユーザーコミュニティでもしばしば話題になります。
FME Storeでは、Safe社自身がIterativeSnipper_2013(ラインを分割)、DistanceMarker_2013(一定間隔でライン上のポイントを作成)というカスタムトランスフォーマーを公開しています。
「車輪の再発明」的なものではありますが、それらの機能を統合・強化、パフォーマンスを改善したカスタムトランスフォーマーを作成し、FME Storeで公開しました。
・トランスフォーマー名: LineDivider
・格納場所: Transformer Gallery/FME Store/Pragmatica
・FME対応バージョン: FME 2014 SP4 以降

ラインを分割する処理をワークスペースに組み込みたいときは、利用をご検討ください。

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