2014年11月21日金曜日

FMEの利用形態に関する考察 他

2014-11-14発信

1. FMEの利用形態に関する考察

FMEによるデータ変換処理は、FME Workbench(ワークベンチ)によって作成されたワークスペースに基づいて実行されます。
しかし、実用的なワークスペースが作成できるようになるまでには一定の時間と努力が必要なのは事実であり、現実的にはそのような時間を割くのが難しいこともあると思います。
ユーザーが自分でワークスペースを作成しなければ、FME(データ変換エンジン)は利用できないのでしょうか?

ワークスペースはファイル(*.fmw)に保存でき、再利用が容易であるという仕組みがあるので、その作成は外部委託によって行うという選択肢もあります。
この仕組みがあることから、FMEの利用形態(企業の場合)は、おおまかに次の3つに分類できるのではないかと考えています(案)。

(1) ワークスペース内製(インソーシング)型
ワークスペースを作成できる人材を育成し、組織内で生じるさまざまなデータ変換の要求に応じて随時ワークスペースを作成する。
データ変換が伴う受託業務などについて、それぞれの業務目的に応じたワークスペースを作成、FMEを活用することによってコストダウンを図る。

(2) ワークスペース外製(アウトソーシング)型
FMEの利用目的が特定されており、ワークスペース作成の頻度がそれほど高くない場合には、そのための人材育成のコストを割くのは難しい。
ワークスペースの作成は主に外部委託によって行い、それを利用する。
データ変換が伴う定常的な業務ルーチンにFMEを組み込むことによってコストダウンを図る。

(3) 中間型
基本的には(1)内製型を目指すが、人材育成の途上にある間、難易度に応じてワークスペース作成の全部または一部を外部委託する。
外部委託の成果を調べることによって、組織内人材のスキルアップにもつながる。

これは概念的な分類であって、個々の組織をこのように分類しようとしているわけではありません。
ひとつの組織が状況に応じて、あるときは内製型、他のときは外製型でFMEを利用するといったこともあり得ると思います。
今後も皆様のご意見を伺いながら、さらに考察を深めていきたいと考えています。

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2. TaperLineBufferer トランスフォーマー

Safe Software社がユーザーサポートの一環として運営しているユーザーコミュニティサイト"FME Community Answers"では、日々、世界中のユーザーの間でさまざまな技術的テーマについて議論されています。
http://fmepedia.safe.com/CommunityAnswers#!/feedtype=RECENT&dc=All&criteria=ALLQUESTIONS

最近、非常に興味深いテーマがありましたのでご紹介します。
ラインの始点側と終点側で異なる幅のバッファ領域(徐々に狭まる/広がる)を作成するにはどうするか、という問題です。
Is it possible to create a "trapezoids" shaped line buffer?
http://fmepedia.safe.com/CommunityAnswers?id=906a0000000d5LnAAI

この問題に対する解決策は汎用的なものと思われたので、"TaperLineBufferer"という名前のカスタムトランスフォーマーにまとめ、FME Storeで公開しました。
インターネットに接続している環境でFME Workbenchを起動すると Transformer Gallery/FME Store/Pragmatica に格納されます。
ご興味がありましたらお試しください。
※FME対応バージョン: FME 2014 SP4 build 14433 以降

なお、FMEに関する技術的な質問事項がありましたら"FME Community Answers"への投稿もご検討ください。
どなたでも投稿できますが、初回は画面右上の"Sing Up"からユーザー情報(氏名、ニックネーム、メールアドレス、パスワード)を登録する必要があります。
ほとんどのユーザーは英語で投稿していますが、英語でなければならないという決まりはなく、日本語でも構いません。
私はほぼ毎日チェックしており、可能な範囲でお答えします。

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3. FME製品販売価格について

Safe Software社のFME製品価格はカナダドル建てで設定されているため、為替相場の変動に応じて当社の標準販売価格(社内規定)を見直すことがあります。
頻繁な変動はできるだけさせないように努めていますが、この1~2ヶ月間にカナダドルに対して大幅な円安が進行したことから、やむなく見直すことにしました。
当社からのFMEライセンス購入をご検討いただく場合は、最新の価格についてお問い合わせくださるようお願いいたします。

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